ドイツ工場の受注が予想外に上昇

9月5日、ドイツの7月の民間部門購買担当者指数（PMI）報告書が発表された。データによると、ドイツの7月の工場受注は予想外に2.9%増加し、6月の受注が4.6%増加したのに続いて再び上昇した。

ドイツ連邦統計局（Destatis）が発表したデータによると、

• その他の交通機関製造業（例えば航空機、船舶、列車、軍用車両）の新規受注は7月に86.5%急増した。
• 電気設備製造業の受注は18.6%増加した。
• 機械工学業界の受注は6.1%下落した。
• 大口注文を除くと、全体の新規注文は0.4%下落した。

より広範な経済分野から見ると、

• 資本貨物分野の受注は7月に3.5%増加したが、中間製品分野の受注は4.4%増加した。
• 消費財分野の新規受注は5.8%減少した。
• 海外注文は5.1%増加し、そのうちユーロ圏内の注文は5.9%増加し、ユーロ圏外の注文は4.6%上昇した。
• 国内注文は変わらない、
• 2024年5月から7月にかけて、工場の受注は前の3カ月より1.0%増加した。

7月の工場受注の伸びは、製造業PMI調査で示された新規受注の低下傾向とは対照的で、ドイツの景気後退リスクを緩和した。8月のHCOB製造業PMI調査によると、新たな作業受注は2023年11月以来最速のペースで減少し、新たな輸出受注も大幅に下落した。製造業PMI指数は7月の43.2から8月の42.4に下がった。

ドイツの工場受注とECBの利上げ経路

調査に基づくドイツの経済指標は、景気後退の深さを示すリスクが高まっている。しかし、工場受注データはドイツ経済により楽観的な見通しをもたらした。この良い工場受注データは、ドイツ経済の長期不況への懸念を軽減する可能性がある。

しかし、工場受注データはECBの利上げ経路に大きな影響を与えない見通しだ。ECBの主な注目点は依然としてサービス業とインフレ水準だ。

工場受注データがユーロ/ドルの為替レートに与える影響

工場受注報告書の発表を前に、ユーロの対ドル為替レートは一時1.10865に上昇し、その後1.10746の安値に下落した。工場受注データの発表に伴い、ユーロは対ドルで一時1.10796に下落し、その後1.10854に反発した。

木曜日、ユーロは対ドルで0.02%上昇し、1.10840に達した。